夜驚症の子供、夜勤、もう限界だよ。
娘が毎晩毎晩・・・夜中に起きては両足を地面に打ち付けバタ狂い大泣きする。
何かにとりつかれてしまったのではないか。
「幼児 夜泣き」と検索し、たどり着いたのが
『夜驚症』というものであった。
夜驚症:睡眠中、突然おびえたように叫び声や悲鳴、泣き声をあげ、起き上がったりパニックを起こす。そんな状態が続いて生活に支障が及ぶ状態。
とある。
今まで聞いたことのないもの。
でも、読むとすーっと引き寄せられるものがあった。
「娘の症状と全く一緒・・・これしかない。」そう思った。
治療法はなく、自然と症状が落ち着くのを待つしかないとのこと。
産まれ持った娘の性格もある。。。待つしかないんだ。
自分の体にムチを打ち、こんな生活いったいいつまで続くんだろう。
神様なんていない。
そう思った。
ある日の夜勤の入り。子供が高熱を出し、幼稚園に迎えに行くことになる。
昼の12時。
夜勤入りの時間16時まで時間がある。
「子供が熱を出したので、休ませてください。」。。。
上司への電話ができない自分がいた。
自分が休むことで、自分の代わりに誰かが夜勤を替わってもらわなければならない。
そう考えただけで、血の気が引く思いだった。
目の前には高熱で苦しんでいる子供がいるにもかかわらず、
この時の自分は、こういう考えしかできなかった。
・・・悩んだ。
どうしたらいいのか・・・。
自分がとった行動は、
自分の自宅から車で3時間かかる実家の母に電話をしていた。
母は、娘の高熱を心配していた。
私の仕事を替わってもらうことはできないのか?
・・・そのときの母は、私にはそう言わなかった。
今思えば、自分の異常な声に
母なりに感じ取ったものがあったのだと思う。
「わかったよ、いますぐに行くよ」そう言ってくれた。
このとき、遠い場所に住んでいる母親に来てもらうことへの罪悪感より、
仕事へ行けることへの安心感の方が勝っていたかもしれない。
夜勤へ行くことはできるようになったが、これからが問題である。
娘は、私と離れることを極度に嫌がり、狂ったように号泣し暴れだす。
母親が来てから自分が仕事に行くまで、娘に分かってもらえるようにしっかり娘と向き合って話をしよう。
話をすれば、娘なら分かってくれる。そう思っていた。
不思議なことが一つあった。
娘は私と離れることに対して恐怖心がある子ではあったが、保育所に行くことは泣くことなく喜んで行っていた。
保育所からは、
「ママお仕事頑張ってね」
と必ず笑顔で手を振ってくれた。
自分が見るなりに、娘は保育所が好きなんだ。
先生も優しいし、たくさん遊んでくれるし、私といるより楽しそう。
そう思っていた。
しかし、自宅では違った。
自宅で旦那や祖母と一緒に留守番をすることができないのである。
「私と一緒にいないと嫌だ!!」暴れて泣いた。
そのため、今回の夜勤で祖母に娘を預けることも不安で仕方がなかった。
夜勤に出発する1時間前から、娘に分かってもらえるように話をした。
しかし、全く分かってくれない。
「ママがいい!!ママじゃないと嫌だ!!」
初めのうちは自分も冷静な態度をとり話をしていたが、
娘が徐々に荒れ狂いだし
耳の奥まで筒抜けるような音量の泣き声と癇癪に耐えられず、
ついに自分も爆発してしまった。
「ねえ!!どうして分かってくれないの?ママこんなに一生懸命毎日頑張ってるじゃん!!どうしてママの気持ちを分かってくれないの?明日の朝には帰るって言ってるじゃん!!」
大声で怒鳴り散らかした。
それでも、「ママがいい!!ママがいい!!」と泣き叫び、
自分にまとわりついてくる娘を物凄い力で振り払い、娘に対して怒りしかなかった。
そのとき母は違う部屋の片隅で聞いており、何も口出しはしてこなかった。
母の表情、思い・・・今思えば悲しみと不安しかなかったと思う。
自分の怒りはピークに達し、玄関を出た。
しかし、娘が号泣しながら玄関のカギを開けて自分を裸足で追いかけてくる。
本当に辛かった。
どうしていいのかわからなかった。
一度部屋に戻り、抱っこをしてもう一度話をした。
「ママ、もしかしたら、今日の夜、早く帰ってくることができるかもしれないから・・・」
そう話をした瞬間娘が泣き止み
「本当に早く帰ってこれる?」と。。。
嘘をつくしかなかった。
何が、どんな言葉がきっかけになるかは分からない。
考えて話した言葉も何も効果がない毎日なのに、
この時は何も考えずに言った言葉に娘が反応した。
それから落ち着き、自分は夜勤に出かける・・・
娘をあんな状態にまでさせて、仕事に行こうとしている自分にこのときも罪悪感は少ししかなかったと思う。
職場のみんなに迷惑をかけなくて済んだ。。。
そう思っていた。
ひどい母親だ。
この時の自分は何を目指していたのか。
何をして満足していたのか。
必死過ぎて、この時の自分は何も見えていなかった。
今の自分にとって、一番大切なものは何なのか?
その時の自分に話をしたい・・・